臨時療養施設を支えるLPガス

2020年12月4日

【日本財団災害危機サポートセンター】

コロナ禍で建設された、国内初のペット同伴型臨時療養施設。避難所建設のモデルケースとして研究機関の注目を浴びている。

お台場エリアにある船の科学館駐車場と日本財団パラアリーナを合わせた約1万㎡の土地に「日本財団災害危機サポートセンター」が建つ。新型コロナに感染した比較的軽症者向けの臨時療養施設だ。

新型コロナ感染拡大による医療崩壊を防ぐため4月に着工し、7月に完成。東京都が運営し、10月半ばから入所を開始した。

14棟のプレハブハウスにはワンルームタイプの個室140室・150床と、約2000㎡のパラアリーナ内には間隔を十分に取り、仕切りで区切った100床が用意されている。さらに物資の貯蔵や医療従事者の待機場所として1張りの大型テントがある。


各個室の給湯器はLPガスで供給する

個室にはテレビやパソコン、冷蔵庫や洗濯機などが備えられ、生活に必要な環境が整う。特長はペットも一緒に入所できる点だ。種類は限られるが、ペットを理由に入院療養をためらう罹患者がいることに着目した。ケージを用意するだけでなく、室内はペットが外に飛び出さないよう工夫を凝らす。

「災害時にペットがいるため避難をせず二次災害に遭った例が多くあります。生活スタイルを極力変えずに療養・避難できる施設は入所者の健康を守ることにもつながります。運用面のモデルケースとして今後に生かしていきたいです」。災害対策事業部の樋口裕司チームリーダーはこう話す。

臨時施設の建設は短期間・低コストであることも必要な条件だ。その設備造りにLPガスは欠かせない。