【マーケット情報/12月18日】続伸、供給引き締め材料揃う

2020年12月21日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。供給ひっ迫材料が出揃ったことで、市場は買い優勢となった。ブレント先物価格は18日、52.26ドルの終値となり、今年2月以来約10か月振りとなる高値更新となった。

世界各地で出荷量減少との報告が相次ぎ、先の供給に不安が広まった。リビアでは1月の出荷量が前月比23%減となる見通し。同国ではメリタターミナルで2月末までメンテナンスが予定されている。また、ロシアからの1月積みも前月比10%減と報告されている。アンゴラでも2月の出荷量減少が予想されており、過去3年で最低水準との報告だ。

また、米エネルギー省が先週発表した原油在庫統計は大幅な減少を示した。他国からの供給量が減少したことと、国内生産量も減少したことが要因としている。

一方、世界各地で原油需要予測に下方修正が加わったことが価格の上昇を幾分か抑えた。コロナ感染者の増加で国際的に経済活動が鈍化するとの予想につながっている。ただ、米議会が19日、9000億ドル(約93兆円)規模の追加新型コロナウイルス対策を発動することで大筋合意した。経済の好影響となり原油需要の増加も見込まれ、価格はさらに急伸している。

【12月18日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=49.10ドル(前週比2.53ドル高)、ブレント先物(ICE)=52.26ドル(前週比2.29ドル高)、オマーン先物(DME)=51.23ドル(前週比0.66ドル高)、ドバイ現物(Argus)=51.25ドル(前週1.04ドル高)