【マーケット情報/1月15日】ブレント反落、移動規制で原油需要に懸念

2021年1月18日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、米国原油の指標となるWTI先物原油価格は続伸した一方で、北海原油の指標となるブレント先物価格は小幅に下落した。原油需給はひっ迫感が強まっているが、新型コロナウイルス感染者が世界各地で増加傾向にあり、先の需要に懸念が強まっている。

米国の原油在庫量が減少傾向だ。米エネルギー省が発表した、同国の原油在庫統計は今週も減少を示した。同国では冬季需要が強く、製油所が高稼働を続けている。

また、サウジ・アラムコ社は長期契約を結んでいる数社に対し、2月原油供給量を5〜15%削減する。サウジアラビアは今月5日、2月および3月の原油生産量を追加で日量100万バレル減産させると表明しており、この追加減産が供給量削減の背景。

ただ、世界各国でコロナ感染者数が増加傾向にあり、ロックダウンや国境間の移動制限で原油需要の減少が懸念されている。週後半には、中国国家衛生健康委員会が来月の新正月に不要不急の移動を控えるよう呼び掛けた。移動による燃料需要が高い同期間の規制は、原油市場にはとって大きな痛手となる。

【1月15日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=52.36ドル(前週比0.12ドル高)、ブレント先物(ICE)=55.10ドル(前週比0.89ドル安)、オマーン先物(DME)=55.38ドル(前週比0.80ドル高)、ドバイ現物(Argus)=55.33ドル(前週0.83ドル高)