【マーケット情報/1月29日】原油混迷、方向感を欠く値動き

2021年2月1日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は引き続き、強弱材料が混在し、各地で方向感を欠く値動きとなった。29日時点で、米国原油の指標となるWTI先物は前週比で小幅に下落。中東原油を代表するドバイ現物も下落した一方、北海原油の指標となるブレント先物は上昇した。

経済の冷え込みにともなう石油需要後退への懸念が、WTI先物およびドバイ現物の重荷となっている。世界の新型コロナウイルス感染者数は1億人を超えた。変異株の感染も拡大しており、米国では28日、初めて南アフリカで変異したウイルスの感染者を確認。各国で移動規制が強化され、燃料用需要が一段と後退する見込み。また、米国の新政権は対中関税をただちに取り下げる方針はないと表明。米中関係の緊張が続くとの予測が台頭している。

一方、ロシアの2月輸出量は、前月比で減少する見通し。また、米国の週間在庫統計は、2020年7月以来の大幅減少を示し、ブレント先物を支えた。

【1月29日現在の原油相場(原油価格($/bl))】
WTI先物(NYMEX)=52.20ドル(前週比0.07ドル安)、ブレント先物(ICE)=55.88ドル(前週比0.47ドル高)、オマーン先物(DME)=54.63ドル(前週比0.51ドル安)、ドバイ現物(Argus)=54.70ドル(前週比0.34ドル安)