新たなモビリティの活用を実証へ 丸紅と共同でEVバスを運用

2021年3月14日

【中部電力】

中部電力が丸紅と共同で設立した合同会社「フリートEVイニシアティブ」(FEVI)は、EVバスの運用を1月15日より開始した。長野県飯田市、信南交通、中部電力が取り組むEVバスの充電を活用したエネルギーマネジメントの実証を行うものだ。

実証は、飯田市の市内循環線など信南交通の商用路線でEVバスを運行させ、乗合バス事業におけるEVバスの最適運用に関する知見を得ることを目的に実施。期間は、2022年3月31日までを予定している。

カラフルなラッピングが施されたEVバス

最適な充電方法を検討 新たな価値の創出

具体的には、中国のBYD(比亜迪)製小型EVバス1台を使用し、運行スケジュールに応じた最適な充電方法を検討することで、次の五つの効果を実証する。

①バスをディーゼルから電動化することに伴う走行距離、燃費(軽油→電気)、CO2排出係数の変化や、バスに充電する電気を再生可能エネルギー由来の電源とすることによるCO2削減、②EVバスを災害時に被災者の休憩場所として活用したり、避難所で携帯電話の充電や扇風機、電気ポットなどの電源として活用するなど、EVバスの新たな価値の創出に資するBCP(事業継続計画)対策など、③再エネの過剰出力分をEVバスへ充電して消費することによる再エネの利用拡大、④充電器を制御し、最大電力(kW)抑制(ピークカット)し、事業場の電力消費の少ない時間帯に充電(ピークシフト)することに伴う電力消費のピークコントロールによる電気料金の抑制、⑤運行状況を考慮した最適な充電制御により充電設備をコストダウンすることで、急速充電器の稼働率の向上によるコスト低減―。

FEVIは、実証の運営・評価や、EVバスの導入支援、急速充電器の設置、充電マネジメントなどを担い、信南交通は、EVバスの運行、運行データの提供などを行う。

また、物流・運輸事業者などの車両電動化を通じて、CO2削減に貢献。同時に、電動車両の蓄電機能を活用したBCP対策や、再エネのさらなる活用についても提案を進めていくことで、持続可能な社会の実現に努めていく。