新電力ビジネスの「困りごと」に対応 パートナー企業獲得で事業拡大目指す

2021年3月16日

【ダイヤモンドパワー】

中部電力グループのダイヤモンドパワーは、電力小売り競争が激化する中でさらなる事業拡大を図るため、小売り電気事業者向け支援サービスとして展開している「新電力プラットフォーム事業」の強化に乗り出した。

2000年に高圧需要家向けの電力小売業に参入し、「新電力1号」となった同社は、16年4月の全面自由化を機にそれまでの実績を生かし同事業を開始。事業者登録や営業活動、電源調達、需給管理、顧客管理といった、新電力に必要な業務を包括的にサポートしてきた。

電源調達やインバランスのリスクを同社が全面的に引き受けることで、加入する事業者はリスクフリーで販売活動に専念できるのが特徴で、これまでに地方都市ガス会社やLPガス販売会社、地域新電力といった約50社が同プラットフォームに参加している。

今後は、電源調達のみ、需給管理のみといったように、事業者の個別の「困りごと」に柔軟に対応していく。また、再生可能エネルギーやCO2フリー電気の販売、自社の発電機を持つ顧客に対する自己託送といった、新たな顧客ニーズに対応できるよう、メニューづくりやサービス提案の支援にも力を入れる。中部電力ミライズが提供している生活支援サービスを付加価値サービスとして活用することもできるようになる。

ホームページでは「困りごと」に応じた支援を提案

パートナー企業100社へ ホームページも刷新

宮下功嗣営業部長は、「販売量の拡大には、本業で顧客との接点のあるパートナー企業の存在が欠かせない」と語る。実際、取り扱い電力量約60億kW時のうち、約7割を新電力プラットフォームを通じた販売が占めている。「困りごと」に応じたきめ細かい支援を通じて、パートナー企業を100社まで増やし電力販売量の拡大につなげたい考えだ。

1月15日には、ホームページを全面的に刷新し、自社の顧客、新たに電気事業を始めたい事業者、「困りごと」がある新電力、発電事業者―といった対象ごとに、事業内容に関する説明を充実させた。新型コロナウイルス禍で新規にパートナーを獲得するための営業活動が難しい中、ホームページを通じた問い合わせをきっかけに契約交渉が進むことへの期待は大きい。

現在は、昨年末からの電力需給ひっ迫やスポット市場価格高騰に伴う相談が多く寄せられているといい、電力事業を安定的に継続したい新電力に対してプラットフォームを提案する好機となっている。