【マーケット情報/3月5日】原油続伸、供給減少の見込みが強まる

2021年3月8日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。供給減少の予測が、買い意欲を一段と強めた。

サウジアラビアが、3月に続き4月も、日量100万バレルの自主的な追加減産を継続すると表明。また、ロシアおよびカザフスタンを除くOPEC+が、4月中の減産継続に同意を示し、供給逼迫感がさらに強まった。OPEC+の決定を背景に、米国の金融機関ゴールドマン・サックスとオランダABN Amroが、今年および来年の原油価格予測を上方修正したことも強材料となった。

加えて、中東では情勢が緊迫化。イエメンを拠点とする武装勢力フーシが、サウジアラビアの石油関連施設をミサイルで攻撃したと発表。また、イスラエルは、自国の船舶がオマーン湾で爆破されたとしてイランを非難し、中東産原油の供給不安が台頭した。

他方、米国では新型ウイルスのワクチン普及が進んでおり、経済回復にともなう石油需要増加への期待感が高まった。

ただ、最近の原油価格上昇を受け、中国の5月着カーゴに対する需要が後退。また、欧州では感染防止のためのロックダウンが続いており、原油価格の上昇をある程度抑制した。

【3月5日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=66.09ドル(前週比4.59ドル高)、ブレント先物(ICE)=69.36ドル(前週比3.23ドル高)、オマーン先物(DME)=66.41ドル(前週比ドル2.32高)、ドバイ現物(Argus)=66.39ドル(前週比2.25ドル高)