【マーケット情報/3月19日】原油続落、需要回復に懸念感強まる

2021年3月22日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油市場はすべての指標が前週から下落。世界各地で需要の回復に懸念の声が広がっており、余剰感につながっている。

新型コロナウイルスの感染拡大により需要が伸びにくい状況だ。米国原油の大口買い手であるインドでは感染拡大により、石油製品への需要が弱まる見通しが強い。また、世界最大の石油消費国である中国では、感染予防による航空機の往来が減少しており、当面の追加需要は見込みにくい状況だ。

また、欧州でも、ワクチンの安全性に懸念が広がっており、一部接種見合わせの動きも報じられている。ワクチン接種により、石油需要は回復が見込まれていたが、石油需要が感染拡大前の水準に回復するには時間を要するとの見方が強い。

また、世界各地の製油所で定期検査が予定されており、原油調達の動きも一時的に弱まる見通しだ。

米国原油在庫は、需要減少の動きもあり、増加傾向にある。米エネルギー情報局(EIA)の週間原油在庫統計では4週連続の増加が報じられ、同国の在庫は昨年12月以来の最高水準に積みあがっている。

【3月19日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=61.42ドル(前週比ドル4.19安)、ブレント先物(ICE)=64.53ドル(前週比4.69ドル安)、オマーン先物(DME)=62.45ドル(前週比5.46ドル安)、ドバイ現物(Argus)=62.12ドル(前週比5.78ドル安)