【マーケット情報/3月26日】欧州、中東原油上昇、供給不安が強材料

2021年3月29日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、北海原油を代表するブレント先物と、中東原油の指標となるドバイ現物が、供給不安を背景に上昇。一方、米国原油の指標となるWTI先物は、需給緩和感の強まりを受け、前週比で下落した。

スエズ運河で23日、コンテナ船の座礁事故が発生。通行停止となり離礁も難航していることから、供給が滞るとの見方が台頭した。26日時点で影響を受けている船舶は、原油および石油製品タンカー33隻を含め、合計237隻に上る。

加えて、イエメンを拠点とする武装勢力フーシが新たに、サウジアラビアの石油関連施設をドローンおよびミサイルで攻撃したと発表。中東情勢が一段と悪化し、供給不安を強めた。

一方、WTI先物には、需給緩和感が下方圧力として働いた。複数の欧州諸国が、感染再拡大を受け、経済活動および移動の自粛を延長。経済の冷え込みにともなう石油需要後退への懸念が強まった。また、米国の週間在庫統計は5週連続で増加。OPEC+は2月の協調減産順守率で、過去最高の113%を達成した。

【3月26日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=60.97ドル(前週比ドル0.47安)、ブレント先物(ICE)=64.57ドル(前週比0.04ドル高)、オマーン先物(DME)=62.24ドル(前週比0.21ドル安)、ドバイ現物(Argus)=62.51ドル(前週比0.39ドル高)