【マーケット情報/4月9日】原油下落、需要後退の懸念強まる

2021年4月12日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

4月1日から9日までの原油価格は、主要指標が軒並み下落。需要後退の観測が台頭した。

新型コロナウイルスの感染再拡大を背景に、移動や経済活動の自粛が再導入されている。インドでは、一部地域がロックダウンを再開。また、ブラジルで変異株の感染者数が増加していることから、周辺国が国境を封鎖、あるいはブラジルからの出入国を規制。日本では、東京や大阪など一部都道府県がまん延防止等重点措置を導入し、外出や飲食店の営業、イベント等を制限。経済が冷え込み、石油需要が後退するとの懸念が広がっている。

また、米国の新大統領は、直ちに対中関税を取り下げることはないと改めて強調。米中貿易摩擦が続くとの見方が台頭し、経済および石油需要回復に対する不透明感が一段と強まった。

一方、米国の週間在庫統計は、製油所の高稼働と生産減により減少。加えて、OPECプラスの3月産油量は前月比で増加し、価格の下落をある程度抑制した。

【4月9日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=59.32ドル(前週比ドル2.13安)、ブレント先物(ICE)=62.95ドル(前週比1.91ドル安)、オマーン先物(DME)=61.07ドル(前週比1.37ドル安)、ドバイ現物(Argus)=61.00ドル(前週比0.33ドル安)