【特集2】顧客心理をくすぐる新サービス 九州電力とDRで共創
「次のDRは」との声も 顧客との交流機会も創出
今回の実証からは参加ユーザーに対してメッセージ機能も追加した。これはDRに参加する世帯の基礎情報や成否結果などを分析することで、DRの成功率を向上させるアドバイスの配信や、成功率の高いユーザーに対して行動手法を聞くアンケートを行うなどして参加者とコミュニケーションを図った。
安藤氏は「ユーザーの成功事例を水平展開することでDR効率も上がります。当社としても家庭需要家との接点は多くないこともあって、コミュニケーションツールとしても役立つのではと考えています」と話す。
共同実証に踏み切った理由について、安藤氏は「SBパワーと共同実証を行うことで、期待以上のことができると思いました」。須永氏も「プラットフォームを構築してデータ分析を行っていますが、一つの仮説を立てるためにも九州電力さんのような電力事業における深い経験と知識をお持ちのプロフェッショナルとの協業が不可欠です。最新のテクノロジーを活用した電力サービス事業の進化を目指して挑戦し続けていきます」と話すなど、共創によるシナジー効果は大きそうだ。
またメッセージ機能について須永氏は「DR指令は不定期に行うので、ユーザーからは『次のDRはいつか』との問い合わせも多く、こちらが返信すると再度返信をもらえるなど、小さいながらもやり取りを積み重ねることで、コミュニケーションを取れています。
ユーザーとの交流機会を作りにくいという行動誘発型のサービスで難しかった点を打破できるきっかけになるのでは」と期待する。
通信と電力のプロフェッショナルがタッグを組む今回の取り組みが、電力業界のキラーコンテンツになるかもしれない。
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