【マーケット情報/5月7日】原油上昇、需給逼迫感強まる

2021年5月10日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。石油需要増加への期待が高まるなか、供給逼迫感が強まり、需給を引き締めた。

米国では、失業者指数が2020年3月以来の最低を記録。景気改善の見方が強まり、石油需要が回復するとの予測が台頭した。また、中国では5月初旬の長期休暇で、国内の移動者数とガソリン消費が増加した。

欧州でも、移動用燃料の消費が増える見通しだ。欧州共同体(EC)は新型ウイルスのワクチン普及を受け、欧州連合(EU)加盟国に、不要不急の域内移動に対する規制緩和を提案。さらに、フランス、ポルトガル、スペイン、ベルギーは、移動や経済活動の規制を段階的に緩めている。

他方、供給逼迫感も台頭。米国の週間在庫統計は、輸出増加と製油所の高稼働を背景に減少。加えて、米国Colonial Pipelineの石油パイプラインが7日、サイバー攻撃を受けて停止。9日に一部を再稼働させたが、全面復旧の見通しは立っていない状態。また、イラク北部の油田が爆破され、中東情勢が緊迫化し、供給不安が強まった。

【5月7日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=64.90ドル(前週比1.32ドル高)、ブレント先物(ICE)=68.28ドル(前週比1.03ドル高)、オマーン先物(DME)=66.03ドル(前週比0.81ドル高)、ドバイ現物(Argus)=65.82ドル(前週比0.61ドル高)