【マーケット情報/5月14日】欧米原油上昇、供給不安が支え

2021年5月17日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、北海原油の指標となるブレント先物と、米国原油を代表するWTI先物が前週から上昇。供給不安が価格に上方圧力を加えた。

サイバー攻撃を受けて操業停止した米国Colonial Pipelineの石油パイプラインは、13日に復旧。ただ、同社のパイプラインが走っている東南部ではパニック買いが発生し、ガソリンや軽油などの供給が逼迫した。他方、中東では、イスラエルがガザ地区を空爆し、情勢が緊迫化。中東産原油の供給不安が台頭し、欧米原油の強材料となった。

一方、中東原油を代表するドバイ現物の価格は下落。燃料需要が一段と後退するとの見込みが、供給不安を上回った。中東の治安悪化を受け、欧州諸国の航空会社はイスラエルへの国際便を一時停止。また、アジアでは引き続き、新型コロナウイルスの感染者数が増加しており、シンガポールやマレーシアなど複数の国が移動と経済活動の規制を強化。UAEとクウェイトは、バングラデシュやパキスタンなどの南アジア諸国からの入国を停止した。

【5月14日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=65.37ドル(前週比0.47ドル高)、ブレント先物(ICE)=68.71ドル(前週比0.43ドル高)、オマーン先物(DME)=65.39ドル(前週比0.64ドル安)、ドバイ現物(Argus)=64.90ドル(前週比0.92ドル安)