【マーケット情報/5月21日】原油下落、需給緩和観が重荷

2021年5月24日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み下落。アジア太平洋地域での新型コロナウイルス感染拡大と、供給増加の見通しが重荷となった。

感染拡大防止のロックダウンにともなう人手不足で、インド国営石油ガス会社Hindustan Petroleumは、ムンバイ製油所の定修を延長。また、インドの5月前半の燃料消費は、前月同期比で大幅に減少した。

需要後退の懸念が一段と強まるなか、供給増加の見通しが台頭した。イランは、米国が主要な経済制裁を解除することで合意したと発表。これにより、イラン産原油の供給再開が見込まれている。また、米国の週間在庫統計は増加を示した。

一方、欧州は、新型ウイルスのワクチン接種歴などを記載した証明書の導入を前提に、EU加盟国内における観光客の移動規制緩和を検討。また、英国とフランスでは、経済および移動規制の段階的な緩和が続く。さらに、サウジアラビアは国際便の規制を一部解除。燃料需要回復への期待感が、価格の下落を幾分が抑制した。

【5月21日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=65.58ドル(前週比1.79ドル安)、ブレント先物(ICE)=66.44ドル(前週比2.27ドル安)、オマーン先物(DME)=63.25ドル(前週比2.14ドル安)、ドバイ現物(Argus)=63.00ドル(前週比1.90ドル安)