【マーケット情報/6月4日】原油続伸、需要一段と強まる見込み

2021年6月7日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週までの原油価格は、主要指標が軒並み続伸。需要が一段と強まるとの見通しが価格を支えた。

米国の5月28日までの一週間における製油所の原油処理量は、2020年3月下旬以来の最高となった。また、同国では、夏季のガソリン需要期に突入。新型ウイルス感染拡大防止を目的とした移動規制の緩和が進むなか、燃料消費が増加するとの予測が広がった。加えて、米国の5月失業率は、2020年3月以来の最低を記録。同国の経済が回復しつつあるとの見方がさらに強まり、石油需要増加への期待感が高まった。

また、インド国営石油会社Hindustan Petroleumの代表は、新型ウイルス感染拡大の減速とワクチンの普及で、7月にインドの石油需要が回復すると予想。また、ニュージーランド航空の4月利用者数は、オーストラリア間の移動規制緩和により、過去4カ月で最高を記録した。

一方、OPEC+は予定通り、6〜7月にかけて段階的に増産する方針。また、マレーシアは感染者数増加を受け、全土でロックダウンを開始。需給緩和観が台頭し、価格の上昇を幾分か抑制した。

【6月4日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=69.62ドル(前週比3.30ドル高)、ブレント先物(ICE)=71.89ドル(前週比2.26ドル高)、オマーン先物(DME)=70.38ドル(前週比2.66ドル高)、ドバイ現物(Argus)=69.86ドル(前週比1.94ドル高)