【マーケット情報/6月18日】欧米続伸、需要回復へ期待高まる

2021年6月21日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、北海原油を代表するブレント先物と、米国原油の指標となるWTI先物が続伸。需要回復への期待感が、一段と高まった。

国際エネルギー機関やトレーダーVitolが、石油需要の回復を予測。新型コロナウイルスのワクチン普及や、それにともなう移動の増加、経済活動の回復が背景にある。特に欧米で、感染防止策の規制緩和が続いている。

フランスの4月原油輸入量は、前年および前月から増加。また、製油所の稼働率上昇で、引き続き増える見込みだ。スペインの石油ガス会社Repsolは、燃料の増産を決定した。さらに、米国の週間在庫統計は、輸出増加と製油所の高稼働を受け、4週連続で大幅減少。米国の製油所における原油処理量は、2020年1月以来の最高を記録した。

一方、中東原油を代表するドバイ現物は、需給緩和観により小幅下落。マレーシアでは感染拡大が収まらず、全国的なロックダウンを6月末まで延長。燃料用需要の弱まりが予測される。また、イランでの生産と輸出の増加も重荷となった。

【6月18日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=71.64ドル(前週比0.73ドル高)、ブレント先物(ICE)=73.51ドル(前週比0.82ドル高)、オマーン先物(DME)=70.96ドル(前週比0.41ドル安)、ドバイ現物(Argus)=70.87ドル(前週比0.10ドル安)