【マーケット情報/6月25日】原油上昇、需給逼迫観一段と強まる

2021年6月28日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。供給減少の予測と燃料需要の増加で、需給逼迫観が一段と強まった。

米国とイランの、核合意復帰に向けた協議に不透明感。米国は、深刻な意見の相違があると表明した。このため、米国の対イラン経済制裁は続き、イラン産原油の供給増加は当分見込めないとの悲観が台頭した。また、米国の週間在庫統計は5週連続で減少し、2020年3月以来の最低を記録した。

供給減少の見通しに加え、燃料用需要の回復も需給を引き締めた。欧州では6月、航空機の稼働数が増加。米国では、航空機の4月搭乗者数が、過去14カ月で最高を記録した。欧米では、新型コロナウイルスのワクチン普及が進み、石油需要が増加するとの楽観が広がっている。さらに、インドでは、新型ウイルスの感染拡大が減速。各地でロックダウンが緩和され、6月中旬時点の車両の運転者数は、前月比で増加した。

一方、OPEC+は、8月に日量50万バレルの増産を検討している。原油価格の続伸と、OECD加盟国の原油在庫減少が背景にある。ただ、需要回復が増産を上回るとの見方が大勢で、価格に対する弱材料にはならなかった。

【6月25日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=74.05ドル(前週比2.41ドル高)、ブレント先物(ICE)=76.18ドル(前週比2.67ドル高)、オマーン先物(DME)=73.41ドル(前週比2.45ドル高)、ドバイ現物(Argus)=73.57ドル(前週比2.70ドル安)