【マーケット情報/7月9日】原油下落、需要後退への懸念強まる

2021年7月12日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み下落。新型コロナウイルスの感染再拡大で、売りが優勢となった。一方、OPEC+が生産計画で合意に至らなかったことで、価格に対する不透明感が強まっている。

新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染が、アジア太平洋地域を中心に拡大している。インドネシアは、ロックダウンの対象地域を拡大。また、オーストラリアは、シドニーのロックダウンを延長した。日本では、東京が緊急事態宣言を再導入。さらに、サウジアラビアは、ベトナム、UAE、エチオピアへの渡航規制を導入し、燃料需要が後退するとの懸念が強まった。

他方、OPEC+の会合は、8月以降の生産計画で合意に至らず解散。原油価格の先行き不透明感が台頭した。今回の会合では、8月から、月毎に日量40万バレルの追加増産と、2022年末までの協調減産の延長が検討されていた。しかし、UAEが延長に反対し、交渉が決裂。これにより、8月も、7月並みの減産幅になるとの予測から、供給逼迫感が強まった。また、短期的には価格上昇が見込まれる一方で、それが続けば、米産の増加を招くとの見方もある。

【7月9日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=74.56ドル(前週比0.60ドル安)、ブレント先物(ICE)=75.55ドル(前週比0.62ドル安)、オマーン先物(DME)=73.09ドル(前週比1.03ドル安)、ドバイ現物(Argus)=72.69ドル(前週比1.04ドル安)