【マーケット情報/7月16日】原油続落、コロナ変異株感染拡大で売り加速

2021年7月19日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続落。新型ウイルス変異株の感染拡大で、需要後退への懸念が一段と強まり、売りが加速した。

新型コロナウイルスのデルタ変異株が、アジア太平洋地域とアフリカを中心に感染拡大。経済の停滞と、燃料需要後退の見通しが強まっている。韓国は首都ソウルで、集会やレストラン営業などの規制を強化。欧州共同体は、タイとルワンダへの渡航制限を再導入した。

欧米では、ワクチン普及にともない、移動規制の緩和が続く。しかし、英国で、変異株の感染者数が増加。一部の国が、英国からの渡航を規制し、ジェット燃料需要の回復は限定的との見方が広がった。

一方、中国の製油所では、6月の原油処理量が過去最高を記録。また、OPEC+が、2022年には、世界の石油需要がパンデミック前水準に戻ると予測。価格の下落を幾分か抑制した。

OPEC+は18日、8月以降の生産計画で合意した。来月から毎月、日量40万バレルを追加増産することに加え、協調減産を2022年末まで続けることが決定。アラブ首長国連邦、およびサウジアラビア、ロシア、イラク、クウェイトが、2022年5月から、基準生産量を引き上げることで妥協した。

【7月16日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=71.81ドル(前週比2.75ドル安)、ブレント先物(ICE)=73.59ドル(前週比1.96ドル安)、オマーン先物(DME)=72.29ドル(前週比0.80ドル安)、ドバイ現物(Argus)=72.11ドル(前週比0.58ドル安)