【特集3】50kgの荷物を積載 機材運搬ドローンを開発

2021年8月3日

【東設土木コンサルタント】

東京電力グループの東設土木コンサルタント(齋藤仁社長)は、重量物を運搬できる大型ドローンを開発している。

現在、山間部などで交通アクセスの悪い場所での送電網工事が増えている。その際、地盤調査を行うためボーリングマシンを山中に運搬する必要があり、同社は傾斜地向けの小型ボーリングマシンを提供しているのだが、小型とはいえ、重量は約300kgにも及ぶ。調査場所まではクローラと呼ばれる無限軌道付きの小型車両で運搬するが、35度以上のきつい傾斜はクローラでも走行できない。

こうした制約をドローンで解消できないかと、同社は2019年から機体メーカーとドローン共同研究を開始。まずは30kgの荷物を搭載可能な機体の開発を進め、離陸・着陸地点にいる操縦者同士の操縦受け渡し、狭所や斜面での離着陸技術などを開発して、山間部での飛行に必要な知見を得た。20年からは50kgの荷物に対応できるよう研究を進めている。

具体的には揚力と飛行安定性の向上を図るためにプロペラの配置を4カ所から8カ所に変更し、プロペラ位置の間隔を広げた。また荷物の積載位置を調整して飛行安定性を高めるなどの工夫を重ねている。

今後は墜落時の機体や積荷へのダメージを軽減・なくすなどの安全対策を行い、年内の現場投入を目指す。問い合わせはこちら:03-6371-4230(東設土木コンサルタント)

開発を進めるドローン