使いやすくデザインを一新 新型水素ディスペンサーを発表

2021年8月15日

【トキコシステムソリューションズ】

 ガソリン、天然ガス(CNG)、LPガスなど各種ディスペンサーを製造・販売するトキコシステムソリューションズは、水素燃料電池車(FCV)向けディスペンサー「NEORISE(ネオライズ)」のコンセプトモデルを発表した。

デザインを新たにした「NEORISE」

コンセプトモデルが従来モデルから大きく進化した点は大きく二つ。将来の水素ステーションのセルフ化を意識した大きなタッチパネルの導入と、筐体デザインを一新した点だ。

タッチパネルでは充填スタートから、支払い方法の選択やICカードタッチなどの料金支払い関係の操作も画面上で完結する提案を行った。自動車への充填状況から脱圧、ノズルを外すタイミングなど一連の工程をユーザーも分かりやすく見られるように画面を構成したのが大きな特長だ。同社営業本部インフラ・エンジニアリング営業部の中井寛・水素事業担当部長は「視認性を高くするために画面のコントラストにも注意を払った。ガソリン給油と比べると水素充填の仕組みの認知度はまだまだ低い。ディスペンサーがどういう動きになっているのかをユーザーに理解してもらえるよう、画面構成をわかりやすく提案いたしました」と説明する。

柔らかいデザインに一新 設計見直しでサイズダウン

筐体デザインも角ばった武骨なフォルムから、ユーザーに柔らかいイメージを持ってもらうことに加え、使いやすいデザインは何かを追求した結果、外観を一新。同様の設計思想で好評を得ている同社ガソリン計量器「NEOYELL(ネオイエル)」のデザインとの共通化も一部図られている。

さらに使いやすさに配慮して、女性でも操作しやすいようにタッチパネルの高さ位置を適切に設計。また内部構造の見直しを図り、本体のサイズをコンパクトにすることに成功した。各種改良を行ったコンセプトモデルは、展示会に出品した際に行ったアンケートで「従来モデル以上に使いやすく、デザインもよい」との高評価が多数寄せられたという。今秋には本モデルのデザインモチーフを一部採用した2021年モデルの出荷開始を予定している。

街中でもFCVや燃料電池バスを見かける機会は増えつつあり、水素ステーションの数も年々増加している。また自動車メーカーも燃料電池トラックの実証実験に相次いで乗り出すなど、水素が活躍する場は着実に広がっている。

今後の展望について中井水素事業担当部長は「新聞やテレビでカーボンニュートラルの話を聞かない日はない。水素の需要拡大の追い風に乗って事業を展開していきたい」と語る。使い勝手のよい水素ディスペンサーは水素社会実現に大きく貢献しそうだ。