【マーケット情報/8月13日】原油混迷、方向感を欠く値動き

2021年8月16日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、強弱材料が混在し、各地で方向性を欠く値動きとなった。需給緩和の懸念を要因に、北海原油の指標となるブレント先物、および中東原油を代表するドバイ現物の価格が下落。他方、米国原油の指標となるWTI先物は、前週から小幅に上昇した。

OPECは、2021年度の産油量予測を上方修正。OPEC+の協調減産縮小が背景にある。また、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した国内石油ガス掘削リグの稼働数は、前週比で増加。合計で500基となり、2020年4月以来の最高を記録した。

加えて、新型コロナウイルス変異株の感染拡大、それにともなう石油需要後退への懸念が根強い。特に、世界最大の石油輸入国である中国での移動規制強化により、需給緩和の見方がさらに広がった。

一方、インドの7月ガソリン消費は、コロナ前の2019年7月を上回った。ロックダウン緩和で、車での移動が増加している。また、米国の週間在庫は、輸出増加と製油所の高稼働で小幅減少し、過去5年の平均を6%程度下回った。ガソリン在庫も、前週から減少しており、WTI先物の支えとなった。

【8月13日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=68.44ドル(前週比0.16ドル高)、ブレント先物(ICE)=70.59ドル(前週比0.11ドル安)、オマーン先物(DME)=70.09ドル(前週比0.71ドル安)、ドバイ現物(Argus)=69.90ドル(前週比0.50ドル安)