【マーケット情報/8月20日】原油急落、感染拡大で需要減少の観測強まる

2021年8月23日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み急落。20日時点で、米国のWTI先物価格はバレル62.32ドルとなり、前週比で6.12ドル下落。北海原油を代表するブレント先物も、前週比5.41ドル安の65.18ドルまで値を下げた。いずれも5月20日以来、3カ月ぶりの安値だ。

新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るうなか、世界各地で感染が拡大してる。ニュージーランドとイランは、ロックダウンを再導入。日本も緊急事態宣言の対象地域と期間を拡大しており、石油需要が冷え込むとの見方が広がった。

また、経済活動の減速に加えて、欧米では、ガソリン需要が盛り上がりを見せる夏季のドライビングシーズンが終わりに近づいている。実際、米エネルギー情報局が毎週発表する統計では、ガソリン在庫が増加。買いを慎重にさせる材料となった。

さらに、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが先週発表した国内の石油掘削リグの稼働数が、前週から8基増えて405基となり、2020年4月以来の最高を記録。OPECプラスによる協調減産で7月の遵守率が前月を3ポイント下回る109%に低下したことも、価格を押し下げる要因となった。

【8月20日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=62.32ドル(前週比6.12ドル安)、ブレント先物(ICE)=65.18ドル(前週比5.41ドル安)、オマーン先物(DME)=65.70ドル(前週比4.39ドル安)、ドバイ現物(Argus)=65.33ドル(前週比4.57ドル安)