大規模駐車場で自家発電を カーポート一体型の太陽光発電

2021年9月7日

【中電Looop Solar】

 中部電力ミライズ株式会社と株式会社Looopが共同設立した株式会社中電Looop Solarは、大規模駐車場を対象としたカーポート一体型の太陽光発電設備(ソーラーカーポート)を活用した自家消費サービスの提供を7月15日より開始した。カーポートとは簡易車庫の意で、壁がなく、屋根と柱でできている。その屋根の上に太陽光パネルを設置されているのが特徴だ。

このサービスは、工場や店舗の駐車場にソーラーカーポートを設置し、太陽光発電による電気の自家消費につなげるというもの。設置の際にかかる初期費用は架台部分も含めてなんとゼロである。設置するソーラーカーポートは同社が所有・運営し、発電状況を遠隔監視し、顧客に使用量などのデータを提供する。太陽光パネルの保守・メンテナンスも同社が行う。

2050年カーボンニュートラルに向け、多くの企業が脱炭素経営に注力し始めている。「カーポート一体型太陽光発電自家消費サービス」を利用することで、CO2排出量ゼロの電気を消費し、導入企業のブランド向上につなげることができる。さらにパワーコンディショナーに非常用コンセントを設置しているため、非常用電源としても活用できる。例えば近隣住民に電気を開放するなど、地域社会へ貢献することも可能だ。

ソーラーカーポートは、特許権利を取得した前方の支柱を省略した特殊形状を採用している。そのため、従来と比べて駐車台数を多く確保でき、ドライバーにとっても、駐車がしやすく、接触事故の低減やドアの開閉スペースが広がり、快適な利用体験が約束される。

顧客の相談を受け開発 多様化するニーズに応える

このサービスは、顧客からの相談を受けて新たに開発された。中部電力(現:中部電力ミライズ)とLooop社は19年から店舗や工場の屋根に太陽光パネルを設置するサービスを展開してきたが、「屋根の老朽化や強度不足によって設置が難しい」「目に付きづらいので、環境への取り組みを分かりやすい形でアピールしたい」との顧客からの声があった。そこで、駐車場にカーポート一体型の太陽光発電設備を設置することで、これらの課題を解決するサービスを生み出したのだ。

中電Looop Solarは、太陽光発電自家消費サービスを提供してきたこれまでの実績とノウハウを生かし、多様化する顧客のニーズに応え続ける構えだ。