【マーケット情報/9月20日】原油混迷、方向感を欠く値動き

2021年9月21日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

9月20日までの一週間における原油価格は依然、強弱材料が混在し、各地で方向性を欠く値動き。また、価格の変化は引き続き、小幅に留まった。北海原油の指標となるブレント先物と、中東原油を代表するドバイ現物は、前週から若干上昇。一方で、米国原油の指標となるWTI先物は、小幅下落となった。

米国メキシコ湾ではハリケーン「ニコラス」が発生し、14日以降、生産が一時停止。また、9月10日までの一週間における米国の原油在庫は、ハリケーン「アイダ」による生産停止を受け、大幅に減少した。加えて、マレーシア・サバ州の洋上生産設備の一部に不具合が発生し、11月の出荷に遅延が見込まれている。

需要面では、OPECが、2022年の石油需要予測を、日量100万バレルほど上方修正。新型コロナウイルスのワクチン普及と、経済回復を根拠としている。需給逼迫感が一段と強まり、ブレント先物とドバイ現物を支えた。

ただ、米国メキシコ湾での生産は徐々に復旧し、20日時点で82%の設備が稼働再開。また、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した、17日までの一週間における国内の石油掘削リグ稼働数は10基増加し、411基となった。さらに、リビアでは、東部の輸出港におけるデモが16日に終了。出荷再開が可能となった。

加えて、中国の8月原油処理量は、過去6カ月で最低を記録。新型ウイルス変異株の感染拡大が背景にあり、WTI先物の重荷となった。

【9月20日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=70.29ドル(前週比0.16ドル安)、ブレント先物(ICE)=73.92ドル(前週比0.14ドル)、オマーン先物(DME)=72.54ドル(前週比0.72ドル高)、ドバイ現物(Argus)=71.95ドル(前週比0.37ドル高)