【マーケット情報/9月24日】原油上昇、需給逼迫感が台頭

2021年9月27日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。需給逼迫感が強まり、買いが優勢となった。北海原油を代表するブレント先物は、24日時点で78.09ドルとなり、2018年10月下旬以来の高値を付けた。また、米国原油のWTI先物と、中東原油の指標となるドバイ現物は、それぞれ73.98ドルと74.97ドルで、今年7月以来の最高となった。

米国の週間在庫は、製油所の高稼働を要因に、7週連続で減少。また、2018年10月初頭以来の最低を記録した。加えて、マレーシア・サバ州の洋上生産設備で不具合が発生。11月の出荷が一部遅延する見通しで、品薄感が台頭した。

また、米国は、国際便に対する規制を緩和。それにともない、英国の航空会社ヴァージン・アトランティック、およびドイツ航空会社ルフトハンザの、米国向け航空便予約が急伸。英国も、国際便の規制を大幅に緩和し、ジェット燃料需要が増加するとの見込みが広がった。加えて、OECDは、2021〜2022年の経済成長予測を上方修正。アジア開発銀行も、来年のアジア太平洋地域内における経済成長予想を小幅に上方修正。経済および石油需要回復への期待感が高まり、買い意欲を強めた。

ただ、アジア開発銀行は、今年の経済成長予測には下方修正を加えている。新型コロナウイルス変異株の感染拡大が収まらないことが背景にある。さらに、米国メキシコ湾での生産は、ハリケーンからの復旧が続いており、23日時点で84%が稼働再開。価格の上昇を幾分か抑制した。

【9月24日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=73.98ドル(前週比2.01ドル高)、ブレント先物(ICE)=78.09ドル(前週比2.75ドル)、オマーン先物(DME)=74.89ドル(前週比1.46ドル高)、ドバイ現物(Argus)=74.97ドル(前週比2.02ドル高)