【マーケット情報/10月1日】原油続伸、需給逼迫感が強まる

2021年10月4日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。需給逼迫観が一段と強まった。

中国は、国慶節休暇に突入。海外旅行の規制を背景に国内移動が増加し、燃料消費が増える見通しだ。また、日本では、9月末を以って緊急事態宣言が解除。経済活動の活性化と、石油需要回復への期待感が高まっている。

供給面では、イラン新政府は依然、核合意復帰を急がないと示唆。イラン産原油の供給増加は、当面見込めないとの予測がさらに広がった。また、OPEC+は、7月時点での合意通り、11月も日量40万バレルを追加増産する可能性が高い。本来なら供給増加の観測が弱材料として働くが、米国やOPEC+の一部加盟国が、これでは供給不足の解消には至らないと主張。前年を15%程度下回る米国の在庫や、欧州における天然ガス価格の上昇にともなう石油需要の強まりを受け、さらなる増産が必要と指摘されており、需給逼迫観を強める要因となった。

一方、米国の週間在庫は、前週比で増加。メキシコ湾を襲ったハリケーンからの復旧が続き、生産が回復。米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した先週の国内の石油掘削リグの稼働数は、前週から7基増加して428基となり、価格の上昇を幾分か抑制した。

【10月1日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=75.88ドル(前週比1.90ドル高)、ブレント先物(ICE)=79.28ドル(前週比1.19ドル)、オマーン先物(DME)=75.50ドル(前週比0.61ドル高)、ドバイ現物(Argus)=75.38ドル(前週比0.41ドル高)