【マーケット情報/10月8日】原油続伸、供給不安強まる

2021年10月11日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。欧米やアジアにおける冬の需要期を前に、供給不足への懸念がさらに強まった。

米国原油の指標となるWTI先物は、8日時点で79.35ドルとなり、2014年10月末以来の最高値。また、北海原油を代表するブレント先物と、中東原油の指標となるドバイ現物は、2018年11月以来初めて、80ドル台にまで上昇した。

OPEC+の11月増産量が、日量40万バレルに留まったことによる品薄感が根強い。供給不足が懸念される一方、英国は新型コロナウイルス感染拡大の減速を背景に、渡航規制を緩和。また、米国の石油ガス会社Shellは、ルイジアナ州のNorco製油所を再稼働。ハリケーン「アイダ」の影響により、6週間ほど停止していた。米国では、製油所の原油処理量が前週比で増加しており、需給が一段と引き締まる要因となった。加えて、同国の原油在庫は、生産増と輸出の急減により前週比で増えるも、前年を15%、過去5年の平均を7%下回っている。

他方、中国では、新型ウイルスの感染再拡大で、一部国内便がキャンセル。ジェット燃料消費が減少するとの予測が台頭し、価格の上昇を幾分か抑制した。

【10月8日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=79.35ドル(前週比3.47ドル高)、ブレント先物(ICE)=82.39(前週比3.11ドル)、オマーン先物(DME)=81.14ドル(前週比5.64ドル高)、ドバイ現物(Argus)=81.04ドル(前週比5.66ドル高)