【マーケット情報/10月22日】欧米原油が続伸、需給一段と引き締まる

2021年10月25日

先週の原油価格は、北海原油の指標となるブレント先物と、米国原油を代表するWTI先物が続伸。需給逼迫感が一段と強まり、買いが優勢となった。一方、中東原油を代表するドバイ現物は、前週から小幅下落した。

天然ガス価格が上昇し、北半球のアジアと欧州で、石油への切り替えが一段と進む。アジアの一部電力会社は、ガス火力発電所の稼働率を抑えるため、石油火力発電所の稼働率を引き上げている。

冬季需要に加え、新型コロナウイルス感染防止の規制緩和も、燃料消費増加の見通しを強めた。欧州では、航空機の稼働数が増加。豪州カンタス航空も、国際便の運航再開の前倒しを検討している。さらに、原油処理量増加の見込みも、需給を引き締めている。米国の製油所が、ハリケーン「アイダ」の影響から続々復旧。中国・浙江省では、中国石油化工が、新たな原油蒸留装置の稼働を開始させた。

品薄感が強まるも、サウジアラビアは原油の追加増産を改めて拒否。供給増加は期待できないとの予想が広がった。

一方、インド国営石油のParadip製油所が19日、パイプラインからの漏えいが要因で計画外停止。インド需要後退の予測が台頭した。さらに、モロッコは、英国、オランダ、ドイツからの渡航制限を導入。新型ウイルスの感染再拡大が背景にある。燃料需要の回復に歯止めがかかるとの見方が、ドバイ現物の弱材料となった。

【10月22日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=83.76ドル(前週比1.48高)、ブレント先物(ICE)=85.53(前週比ドル0.67)、オマーン先物(DME)=82.75ドル(前週比ドル0.35安)