【マーケット情報/10月29日】原油下落、供給増加の予測が台頭

2021年11月1日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み下落。供給増加の見通しにより、売りが優勢となった。

イランは、欧州連合との核合意復帰に関わる会談を、11月中に再開予定。米国の対イラン経済制裁解除、それにともなうイラン産原油の供給増加に対する見込みが強まり、価格の重荷となった。また、米国の週間在庫は増加。堅調な輸入と生産が背景にある。さらに、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが先週発表した国内の石油掘削リグの稼働数は、前週から1基増加し、444基となった。

一方、英国は11月1日を以て、全ての国からの渡航者に対し、入国時の隔離措置を解除。また、供給面では、リビア国営石油がパイプラインの漏えいにより、一部油種の生産を72%減少させた。ナイジェリアでは、Shell社が10月25日から輸出のフォースマジュールを宣言している。需給逼迫感が、価格の下落を幾分か抑制した。

【10月29日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=83.57ドル(前週比0.19ドル安)、ブレント先物(ICE)=84.38ドル(前週比1.15ドル)、オマーン先物(DME)=82.34ドル(前週比0.41ドル安)、ドバイ現物(Argus)=82.55ドル(前週比0.13ドル安)