【マーケット情報/11月12日】欧米原油下落、需給緩和観が台頭

2021年11月15日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、米国原油を代表するWTI先物と、北海原油の指標となるブレント先物が下落。需給緩和観の台頭を反映した。

OPECは、今年の需要予測を下方修正。原油の価格高騰が、消費を抑えると予測した。また、米国では、エネルギーおよびガソリン価格の10月指標が、それぞれ前年比30%と50%上昇。インフレ抑制に向けて、米政府が原油の戦略備蓄を放出するとの期待が高まった。加えて、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した国内の石油掘削リグの稼働数は、前週から4基増加して454基となった。

一方、中東原油を代表するドバイ現物は、前週比で上昇。OPEC+の12月増産が日量40万バレルに留まったことで、品薄感が根強い。また、米議会が1兆ドルのインフラ投資法案を可決。経済が活性化し、石油需要が強まるとの予想が広がった。さらに、中国は、江蘇省の新規製油所が年末に稼働を開始すると公表。同国の輸入増加の見通しが、ドバイ現物を支えた。

【11月12日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=80.79ドル(前週比0.48ドル安)、ブレント先物(ICE)82.17ドル(前週比0.57ドル)、オマーン先物(DME)=81.79ドル(前週比2.04ドル高)、ドバイ現物(Argus)=81.38ドル(前週比2.25ドル高)