【マーケット情報/11月26日】原油続落、需給緩和の見通し強まる

2021年11月29日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続落。新型コロナウイルス変異株の台頭で、需給緩和観がさらに強まった。米国原油を代表するWTI先物は7.95ドル、北海原油の指標となるブレント先物は6.17ドルの急落となった。

世界保健機構(WHO)は、アフリカ大陸南部で新たに発見された新型コロナウイルスのオミクロン変異株が、高い感染力を持つと警告。英国や米国、シンガポールなど複数の国家が、アフリカ南部への渡航制限を導入した。これにより、燃料消費が鈍るとの観測が強まった。また、変異株の感染拡大で、経済が冷え込み、需要回復に歯止めがかかるとの懸念が広がった。

供給面では、米国に加え、日本、韓国、インドなど複数の国が、戦略備蓄の放出を決定。加えて、米国の週間在庫が増加。米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した国内の石油掘削リグの稼働数は、前週から6基増加して467基となり、需給緩和観を強めた。

一方、OPECプラスが、1月の生産計画を見直す可能性も台頭している。新たな変異株の感染拡大や、戦略備蓄の放出が懸念材料となっている。ただ、現時点では、方向性が定まっておらず、価格への影響は限定的となった。

【11月26日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=68.15ドル(前週比7.95ドル安)、ブレント先物(ICE)72.72ドル(前週比6.17ドル)、オマーン先物(DME)=76.44ドル(前週比4.63ドル安)、ドバイ現物(Argus)=77.42ドル(前週比3.77ドル安)