【マーケット情報/12月3日】原油続落、需給緩和観さらに強まる

2021年12月6日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続落。需給緩和観が一段と強まり、売りが優勢となった。ドバイ現物は前週から6.93ドルの急落となった。

新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染が拡大している。世界保健機構(WHO)は2日時点で、同変異株の感染を23か国で確認。また、日本、豪州、イスラエルなど、さらに複数の国が入国規制を再導入した。これにより、燃料消費の減少や、経済の停滞および石油需要後退への懸念が広がった。

そんななか、OPECプラスは、1月も当初の計画通り日量40万バレルの増産で合意。「必要に応じて、迅速に産油量を調整する」と声明を出したものの、需給の引き締め要因にはならなかった。加えて、米国も計画通り、戦略備蓄5,000万バレルを放出すると発表した。

一方、米国とイランの核合意復帰を巡る会合は、米国がイランを批判し、進展のないまま終了。米国の対イラン経済制裁は解除されず、イラン産原油の供給増加は当分見込めないとの予測が強まった。また、米国の週間在庫は減少。ただ、価格下落の抑制にはならなかった。

【12月3日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=66.26ドル(前週比1.89ドル安)、ブレント先物(ICE)69.88ドル(前週比2.84ドル)、オマーン先物(DME)=70.82ドル(前週比5.62ドル安)、ドバイ現物(Argus)=70.49ドル(前週比6.93.ドル安)