【マーケット情報/12月17日】欧米原油、需要後退懸念を映して下落

2021年12月20日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、欧米の先物価格が下落。新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大が経済活動を抑制し、石油需要が伸び悩むとの観測が売りを促した。

欧州の複数国が、移動規制を強化。本来なら冬季休暇で旅行者が増え、ジェット燃料の需要が高まる時期にあるだけに、その影響は大きい。また、バーレーンやオマーンなどの中東諸国も、移動や集会を制限する方針を示し、需給が緩むとの懸念が強まった。

さらに、イラン外相が、国際原子力機関との核合意復帰に向けた話し合いで進展があったと発表。米国の対イラン経済制裁が解除され、イラン産原油の供給が増加するとの予見が高まったことも、売り戻しを誘う材料となった。

ただ、米国では、石油需要の兆しが出ている。米エネルギー情報局が発表した最新の週間統計によると、同国の軽油消費量が2003年1月以来の高水準を記録。また、ジェット燃料在庫は過去7年間で最低の水準まで減少した。原油在庫も前週比460万バレル減の約4億2830万バレルとなり、価格の下落を幾分か相殺した。

【12月17日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=70.86ドル(前週比0.81ドル安)、ブレント先物(ICE)73.52ドル(前週比1.63ドル安)、オマーン先物(DME)=73.24ドル(前週比0.52ドル高)、ドバイ現物(Argus)=73.37ドル(前週比0.43ドル高)