【マーケット情報/1月21日】原油続伸、需給緩和感強まる

2022年1月24日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。需要回復の見通しと供給不安で逼迫観が強まり、買いが一段と優勢になった。

新型コロナウイルス・オミクロン変異株への警戒感が緩和し、需要回復への楽観が広がっている。欧州では、移動規制の緩和で、航空便の予約が増加。また、中国東部でも、移動規制の解除でガソリン消費が回復している。さらに、米金融会社ゴールドマン・サックスは、2022〜23年の原油価格予想を大幅に上方修正。供給不足に加えて、想定よりも変異株の影響が限定的であったことを根拠としている。

供給不安も、価格の上方圧力として働いた。武装勢力フーシが、アラブ首長国連邦の石油施設をミサイルで攻撃。これにより、中東情勢が悪化し、原油の輸出が滞るとの懸念が強まった。また、米国は、ロシアのウクライナ侵攻の可能性に対し、経済制裁を示唆。ロシア産原油の供給が減少するとの予測が台頭し、需給逼迫観を強めた。

一方、中国北部と日本の一部地域では、変異株の感染拡大を受け、移動および経済活動の制限を再導入。燃料消費の減少や、経済減速にともなう石油需要後退への見通しが強まり、価格上昇を幾分か抑制した。

【1月21日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=85.14ドル(前週比1.32ドル高)、ブレント先物(ICE)=87.89ドル(前週比1.83ドル高)、オマーン先物(DME)=85.23ドル(前週比1.45ドル高)、ドバイ現物(Argus)=85.25ドル(前週比2.14ドル高)