【マーケット情報/2月4日】原油続伸、供給不安が一段と強まる

2022年2月7日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。政情悪化を受け、供給不調への懸念がさらに強まり、需給が逼迫した。

米国原油を代表するWTI先物は、4日時点で92.31ドルを付け、2014年10月初旬以来の最高価格を記録。また、北海原油の指標となるブレント先物、および中東原油を代表するドバイ現物も、それぞれ93.27ドルと89.89ドルとなり、2014年10月初旬以来の高値となった。

ウクライナ情勢の緊迫化を受け、米軍が東欧に到着。ロシアのウクライナ侵攻、それにともなう米国の対ロシア経済制裁の可能性が高まっている。ロシア産原油の供給が大幅に減少するとの危機感が一層強まった。

加えて、中東情勢も悪化。アラブ首長国連邦は2日、ドローンによる爆撃を受けた。同国は1月17日以降3度、武装勢力フーシの攻撃を受けており、供給不調の見通しが強まった。

一方、OPECプラスは3月の追加増産を、当初の計画通り日量40万バレルで合意。ただ、新型コロナウイルス・オミクロン変異株による経済活動への影響が限定的だったことから、供給不足になるとの予測が台頭している。さらに、一部加盟国の生産が、計画に追い付いていない状況が続く。イラクの1月産油量は、同国に割り当てられた生産枠を日量12万バレル下回った。

【2月4日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=92.31ドル(前週比5.49ドル高)、ブレント先物(ICE)=93.27ドル(前週比3.24ドル高)、オマーン先物(DME)=90.65ドル(前週比3.23ドル高)、ドバイ現物(Argus)=89.89ドル(前週比2.09ドル高)