【マーケット情報/2月25日】欧州、中東原油が急伸、供給不安が強まる

2022年2月28日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。ロシアのウクライナ侵攻にともなう供給不安を背景に、北海原油の指標となるブレント先物、および中東原油を代表するドバイ現物は急伸した。24日時点で、ブレント先物は99.08ドル、ドバイ現物は99.75ドルを付け、2014年9月上旬以来の最高値となった。

ロシアのウクライナ侵攻を受け、米国や欧州連合(EU)、日本、豪州、カナダなどが相次いで、ロシアに対する経済制裁を表明。米国、EU、日本は国際銀行間通信協会(SWIFT)から、ロシアの一部金融機関を締め出すことで合意した。ロシアのエネルギー輸出に対する直接的な制限ではないものの、決済に影響が出た場合、結果的にロシア産原油の供給が滞る可能性がある。

一方、米国、豪州、日本および韓国は、国際エネルギー機関と協調し、必要に応じて戦略備蓄を放出する意向。また、米国の週間在庫は、前週から増加。さらに、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表する同国の石油リグ稼働数は、前週から2基増加して522基となり、米国原油の指標となるWTI先物の上昇を、幾分か抑制した。

【2月25日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=91.59ドル(前週比0.52ドル高)、ブレント先物(ICE)=97.93ドル(前週比4.39ドル高)、オマーン先物(DME)=92.68ドル(前週比1.79ドル高)、ドバイ現物(Argus)=96.86ドル(前週比6.76ドル高)