再エネ普及と有効活用を評価 2021年度新エネ大賞決まる

2022年3月13日

【新エネルギー財団】

 新エネルギーに関する機器開発、設備導入、普及啓発に貢献した取り組みを表彰する「新エネ大賞」(主催:新エネルギー財団)の受賞企業が、1月に決定。最高位の経済産業大臣賞には、地域共生部門からTJグループホールディングス、導入活動部門から東急不動産、商品・サービス部門からアイテスが選ばれた。

東急不動産は自社保有施設で再エネ電力を活用する

TJグループホールディングスの取り組み「地域から地域へ、木質資源の地産地消」は、山林の未利用材や建物の廃材などを燃料にバイオマス発電し、TJグループが所在する大阪府大東市の公共施設や企業を中心に電力供給するもの。都市部で発生する廃棄物を燃料とするため、地域を選ばず安定的な燃料調達が実現できる点が高く評価された。

東急不動産の「再生可能エネルギーについての一連の取り組みについて」は、太陽光、風力、バイオマスなど全国70発電所(計約125万kW)を展開する同社が、オフィスビルなど自社保有の施設に再エネ由来の電気を供給する取り組み。

不動産業として初めて「RE100」に加盟。使用する電力の再エネ比率100%の目標を205

0年から25年に前倒し達成することを決めており、まずは22年度中に、全オフィスで再エネ100%に切り替える方針だ。保有する発電所を中心とする地域マイクログリッド構築や、地元の子供たちへの環境教育など地域連携を進めた点も、再エネ業界発展に貢献したと評価を受けた。

自主事業化以降で最多 60件の応募から20件が受賞

アイテスの「住宅・低圧太陽光発電設備の点検に『eソラメンテ』」は、‌50‌kW未満の発電設備を対象にした太陽光パネル点検機器だ。国内の太陽光パネルのうち99%、230万件以上を50‌kW未満が占めており、知識やスキルに左右されないメンテナンスツールが今後ますます欠かせなくなる。従来製品の半額以下という低価格でありながら、携帯性が高くシンプルな設計で使いやすいことが魅力。太陽光発電の発展に貢献できるとの期待から、今回の受賞に至った。

21年度は、11年度に新エネ財団が同賞を自主事業化して以降最多の60件の応募があり、20件が受賞した。政府が50年カーボンニュートラル社会実現の目標を掲げる中、最新の技術や知見が一堂に会する「新エネ大賞」にますます注目が集まりそうだ。