【マーケット情報/3月4日】原油急伸、供給不安一段と強まる

2022年3月7日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み急伸。対ロシア経済制裁が強化される可能性が出てきたことで、供給不安が一段と強まった。

米国原油の指標となるWTI先物は4日時点で、前週から24.09ドル上昇して115.68ドルとなり、2008年9月下旬以来の最高を記録した。北海原油を代表するブレント先物も20.18ドル高で118.11ドルを付け、2013年中旬以来の最高値となった。また、中東原油の指標となるドバイ現物も、3日時点で112.66ドルの上昇となり、2014年6月末以来の最高となった。

米国と欧州連合は、ロシア産原油の出荷に対して直接、制裁を加えることを検討。ウクライナでの戦闘が依然激化しており、ロシアに対してさらに圧力をかける必要があるとしている。これにより、供給が逼迫するとの懸念が一段と強まり、価格を押し上げた。

また、OPECプラスは4月、当初の計画通り日量40万バレルの増産で合意。ロシアのウクライナ侵攻にともなう需給逼迫感に関する言及はなかった。

一方、米国、日本、韓国など国際エネルギー機関の加盟国は、合計6,000万バレルの戦略備蓄の放出を決定。そのうち半分は米国が供給する計画だ。また、米国政府は、国内生産者に増産を呼び掛けている。ただ、いずれも価格上昇を抑制するには至らなかった。

【3月4日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=115.68ドル(前週比24.09ドル高)、ブレント先物(ICE)=118.11ドル(前週比20.18ドル高)、オマーン先物(DME)=108.87ドル(前週比16.19ドル高)、ドバイ現物(Argus)=109.22ドル(前週比12.36ドル高)