【マーケット情報/3月21日】原油上昇、逼迫感強まる

2022年3月22日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

3月14日から21日までの原油価格は、主要指標が軒並み上昇。米国原油を代表するWTI先物と、北海原油の指標となるブレント先物は前週比で急伸し、21日時点でそれぞれ112.12ドルと115.62ドルを付けた。需給逼迫感の強まりが、価格を支えた。

国際エネルギー機関は、ロシア産原油に対する制裁により、同国における生産が最低でも日量300万バレル程度減少する可能性があると指摘。夏季の燃料需要期、および在庫の記録的な低水準と合わさり、今後数か月で、需給が一段と逼迫すると警告した。

また、イエメンを拠点とする武装勢力フーシが20日、サウジアラムコ社のエネルギー施設をミサイルで攻撃。政情不安にともなう供給減少への懸念が強まった。

加えて、インドでは移動規制の緩和が続く。同国における2月のガソリンと軽油消費量は、前月比、前年同月比で増加した。また、27日には一部国際便の再開を予定しており、さらなる需要回復が見込まれる。 ただ、中東原油を代表するドバイ現物の上昇は、欧米原油と比較して限定的。中国では、新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を記録。一部地域でロックダウンが再導入され、経済の冷え込みを背景とした需要後退の予測が台頭。ドバイ現物の上昇をある程度抑制した。

【3月21日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=112.12ドル(前週比9.11ドル高)、ブレント先物(ICE)=115.62ドル(前週比8.72ドル高)、オマーン先物(DME)=110.36ドル(前週比0.45ドル高)、ドバイ現物(Argus)=109.96ドル(前週比1.44ドル高)