【インフォメーション】 エネルギー企業の最新動向(2022年4月号)

2022年4月14日

【関西電力/福岡でバイオマス専焼発電所の運転開始】

関西電力グループが運営するバイオマス発電所「かんだ発電所」(福岡県苅田町)が営業運転を開始した。関電グループが関西エリア外でバイオマス専焼の発電所を営業運転するのは初。発電出力は約7万5000kW、発電電力量は年間約5億kW時で、一般家庭の約16万世帯分の使用量に当たる。燃料は海外から輸入する木質ペレットや、パームやし殻を使う。関電は2017年に100%出資のバイオパワー苅田合同会社を設立し、19年から建設を進めてきた。関電グループは、「ゼロカーボンビジョン2050」で取り組みの柱に掲げる「サプライサイドのゼロカーボン化」に向けて再生可能エネルギー電源の普及・拡大に取り組んでいる。50年までに事業活動に伴うCO2排出ゼロを目指している。

【東京ガスほか/ごみ焼却場でCCU実証試験を開始】

東京ガスはこのほど、横浜市資源循環局鶴見工場の排ガス中に含まれるCO2を分離・回収し、資源として利活用する技術(CCU技術)の確立に向けた実証試験を、2023年1月から開始することで横浜市、三菱重工グループと合意した。具体的には、三菱重工グループの技術を通じてごみ焼却工場の排ガスから分離・回収されたCO2を、メタネーションの原料としてだけでなく、汎用性の高い産業ガスなどに資源化する技術の確立に向け、検討を行っていく。東京ガスは今年1月に横浜市との間でメタネーションに関する連携協定を締結。CO2のコンクリートや炭酸塩への資源化など、顧客先でのCCU技術の実証試験などを進め、商用化を目指していく。

【大阪ガス/EV活用のマルチユースサービス開発へ実証開始】

大阪ガスは、電気料金の削減、カーシェアリング、非常用電源(BCP)活用―の三つのマルチユースサービスの実現を目指し、同社が所有する実験集合住宅「NEXT21」で実証を開始した。マルチユースサービスの開発により、電気自動車(EV)をモビリティ用途だけでなく、蓄電池としても活用する。この実証では、EVを用いてエネルギーマネジメントを効率的に行いながら、NEXT21の入居者向けにカーシェアリングを行うことで、その実績データを取得し、ビジネスモデルの評価を行う。実証後は、官公庁や社用車を所有する業務用の顧客、集合住宅などへマルチユースサービスを導入し、CO2排出量削減・省エネに貢献する計画だ。

【ヤンマーエネルギーシステムほか/高い発電効率を実現したガスコージェネ】

ヤンマーエネルギーシステムは、東京ガス、東京ガスエンジニアリングソリューションズと共同開発した420kW常用ガスコージェネシステム「EP420G」を発売した。42.6%の高い発電効率に加え、近年、地震や台風による停電時のBCP対策が求められる中で、分散型エネルギーシステムとして、レジリエンス向上に貢献する。病院・オフィスビルといった業務用施設や中小規模の工場などへの導入を通じて、コージェネシステムのさらなる普及拡大が期待される。

【川崎汽船ほか/世界初の液化CO2輸送実証に着手】

川崎汽船は、世界初となるCCUS(CO2回収・利用・貯留)事業向け液化CO2輸送の実証に取り組む。エンジニアリング協会がNEDOの委託を受け、実証試験船は三菱造船が建造する。川崎汽船とエンジニアリング協会など4者は、2023年の本船完成に向け、安全で低コストな液化CO2の船舶輸送技術の確立と、CCUS技術の社会実装を目指す。川崎汽船は液化ガス輸送船の保有・運航実績などを生かし、輸送・荷役時の安全性評価と技術的なガイドライン策定を行う。

【沖縄電力/CO2フリーメニュー契約 工場電力5割を非化石】

オリオンビールは、電気のCO2排出量を実質ゼロとする「うちな~CO2フリーメニュー」の契約を沖縄電力と結んだ。再生可能エネルギー由来のCO2フリー電気を使用することで、沖縄県の持続的な環境保全への貢献を目指す。この契約締結により、工場で利用される電力エネルギーの50%が非化石燃料由来となり、2019年度比で36%削減される見通しだ。

【北陸電力/新築戸建ての購入者向け 太陽光発電サービス開始】

北陸電力は、太陽光パネル設置の初期費用を負担することなく、メンテナンス料を含む月額料金のみで、太陽光発電の電気を使用できるサービス「Easy ソーラー withハウスメーカー」を開始する。屋根形状やサイズ・パネル容量などの条件からプランを選択可能。利用者には、電気料金の節約や停電時でも日中は太陽光発電の電気を使用できるなどメリットがある。