【マーケット情報/4月8日】原油続落、需給緩和感強まる

2022年4月11日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み下落。供給増加と需要後退の見通しが一段と強まり、価格が続落した。

国際エネルギー機関の加盟国は、今後6か月間に渡り、戦略備蓄(SPR)を追加で1憶2,000万バレル放出する計画。このうち6,000万バレルは米国からで、同国が3月末に発表した1億8,000 万バレルのSPR放出の一部となる。米国の放出分と合わせて、合計で2億4,000万バレルの原油が追加で供給される見通しだ。

また、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが先週発表した国内の石油掘削リグの稼働数は546基となり、前週から13基増加。2020年4月以来の最高を記録した。

中国・上海におけるロックダウン延長も、価格下落の要因となっている。上海では新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、移動や経済活動に対して厳しい制限が敷かれている。これにより、移動用燃料の消費減少や、経済の冷え込みにともなう石油需要後退の予測が一段と強まった。

一方、OPECプラスの3月産油量は日量3,806万バレルとなり、2021年2月以来初めて前月比で下落した。また、当初の生産計画を日量148万バレル下回り、価格下落をある程度抑制した。

【4月8日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=98.26ドル(前週比1.07ドル安)、ブレント先物(ICE)=102.78ドル(前週比1.61ドル安)、オマーン先物(DME)=97.82ドル(前週比3.36ドル安)、ドバイ現物(Argus)=98.30ドル(前週比2.88ドル安)