【インフォメーション】エネルギー企業の最新動向(2022年5月号)

2022年5月14日

【東北電力ほか/電気とガスのセット販売でポイントサービス】

東北電力と山形ガスは、電気・ガスのセット販売に関する業務提携契約を締結し、4月から「山形ガス 東北電力 ガスでんきセットプラン」として販売している。このセットプランは、東北電力が提供する電気料金プラン「よりそうプラスeねっとバリュー」または「よりそうプラスファミリーバリュー」と、山形ガスが提供する都市・LPガス料金プランをセットで契約した上で、山形ガスのポイントサービス「たんめるクラブ」に登録することが加入条件となる。契約時の条件と月々の請求に応じたポイントが付与され、貯まったポイントはガス料金への充当や他社ポイントなどへの交換が可能。両社は今後、電気・ガスのセット販売により、地域の豊かな暮らしをサポートしていく方針だ。

【中部電力ミライズほか/合弁会社を設立し電気とLPガスを販売】

中部電力ミライズ、Gas Oneグループのサイサンといちたかガスワンは、8月に合弁会社エネワンでんきを設立し、全国での小売り電気事業と中部3県(愛知・岐阜・三重)でのLPガス事業に取り組む。具体的には、サイサンといちたかガスワンのLPガス事業の基盤を軸に、関東・北海道エリアを中心に全国において電力を販売。また、中電ミライズの小売り電気事業の顧客を中心に、中部3県でLPガスを販売する。Gas Oneグループと中電ミライズグループの経営資源を融合し、両グループの強みを生かすことで、エネルギーの安定・安価な提供の実現を目指す。エネワンでんきは、将来的に暮らしを豊かにする新たなサービスの全国展開も視野に入れている。

【NTTグループ/環境価値の提供に対応したグリーン電力が選択可能に】

NTTコミュニケーションズとNTTアノードエナジーは4月1日から、再生可能エネルギーを選択できる電力メニューの提供を開始した。このメニューでは、選択した再エネに関する環境価値も併せて提供。これにより、契約者はRE100をはじめとする国際的な環境イニシアチブや温対法に関わる報告、および脱炭素化に向けたESG経営の促進が可能となる。NTTグループは「NTT Green Innovation toward 2040」という環境エネルギービジョンを掲げ、データセンターにおいて高効率な省エネ型設備を導入するなど、グループ全体での脱炭素化に取り組んできた。今回、顧客の要望に合わせた再エネの提供を通じて、再エネ利用のさらなる拡大を目指す。

【住友電気工業ほか/自家消費型太陽光発電システムを発売】

住友電気工業とハンファQセルズジャパンは、固定価格買い取り制度に依存しない自家消費型の住宅用太陽光発電システムを開発した。Qセルズの太陽電池モジュールと住友電工の大容量で長寿命のハイブリッド蓄電システム「POWER DEPO®H」を一体化。普及拡大に取り組む。POWER DEPO®Hは、蓄電容量12.8kW時、連系出力最大6kW、対応負荷容量75Aの機能を搭載。停電時の自立出力最大6kVAの充放電能力を持ち、200V機器も使用できる。

【エア・ウォーターほか/国内初の家畜ふん尿由来の水素事業を展開】

エア・ウォーター北海道と鹿島建設は、「しかおい水素ファーム」を共同で設立し、国内で初めて家畜ふん尿由来のバイオガスによる水素の製造・販売などを行う。家畜のふん尿処理施設である北海道鹿追町の環境保全センターから、メタン発酵で生成されたバイオガスの供給を受け、水素を製造。燃料電池自動車などへの充てんの他、近隣施設の燃料電池への供給や、産業用として工場などへの供給を予定している。販売エリアは道内を想定し、再エネの地産地消を推進する。

【エナリス/再エネ発電事業者を支援 需給管理の代行サービス】

エナリスは、再エネ発電事業者の業務を支援する「再生可能エネルギーアグリゲーションサービス」の提供を開始した。非FIT/FIP再エネ発電事業者に求められる需給管理業務を代行する。発電予測や予測値をもとにした発電計画の作成、計画値との誤差を解消するための発電事業者バランシンググループの組成、蓄電池を使った計画値との誤差補正などを行う。

【三菱造船ほか/LNGを船舶に供給 バンカリング船を契約】

KEYS Bunkering West Japanは、LNG燃料を船舶に供給する自社船舶の造船契約を三菱造船と締結した。2024年3月に完成予定で、西日本で稼働する初のLNGバンカリング船となる。KEYSは九州電力、日本郵船、伊藤忠エネクス、西部ガスによる合弁会社。九州と瀬戸内地域での船舶向けLNG燃料供給事業を、24年春ごろにも始める計画だ。