【マーケット情報/5月6日】原油続伸、供給減の見込み強まる

2022年5月9日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。供給減少の予想が一段と広がり、需給逼迫観を強めた。

欧州委員会は、ロシア製品の段階的な禁輸措置を検討している。原油は今後6カ月以内に、石油製品は年末までに完全撤退を立案した。ただ、一部加盟国は引き続き、経済への影響を考慮して慎重な姿勢。合意形成には至っていない。

米石油会社パイオニア・ナチュラル・リソーシズは、米国エネルギー情報局(EIA)の見通しほど国内生産は伸びないと予測。石油各社は、新型コロナウイルス感染拡大による需要後退や人手不足などの問題を抱えているうえ、増産よりも株主還元を優先していると指摘した。EIAは、今年の産油量は日量1,201万バレル、来年は過去最高の日量1,295万バレルに上ると見込んでいる。

OPECプラスは6月の増産量を、従来の計画通り日量43万2,000バレルで留めると決定。ロシアからの供給に先行き不透明感があるものの、中国需要の後退で相殺されるとみているようだ。

一方、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが先週発表した国内の石油採掘リグ稼働数は、前週から5基増加し、557基となった。また、4月29日までの一週間における米航空機の利用者数は、新型ウイルス感染者数の増加を受け、過去3週間で最低を記録。ただ、価格の弱材料にはならなかった。

【5月6日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=109.77ドル(前週比5.08ドル高)、ブレント先物(ICE)=112.39ドル(前週比3.05ドル高)、オマーン先物(DME)=107.87ドル(前週比4.79ドル高)、ドバイ現物(Argus)=107.20ドル(前週比1.24ドル高)