【マーケット情報/5月13日】欧州、中東原油が下落、需要後退の見通し台頭

2022年5月16日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、北海原油の指標となるブレント先物、および中東原油を代表するドバイ現物が前週比で下落。需要後退の見通しが重荷となった。

上海や北京など、中国の主要都市では引き続き、厳しいロックダウンが敷かれている。上海当局は13日、ロックダウン解除の計画を初めて提示。ただ、同地域の石油会社は当面、燃料消費の回復は期待薄とみている。

また、OPECは、今年の石油需要予測をさらに下方修正。ロシアのウクライナ侵攻と、それにともなう経済減速が背景にある。米国エネルギー情報局は、卸売価格の高騰を理由に、今年のガソリン、軽油、ジェット燃料などの消費見通しに下方修正を加えた。

一方、米国のWTI先物は、供給減少を受け上昇。OPECプラスの4月産油量は、合計で日量3,756万トンとなり、当初の目標である日量3,994万を大幅に下回った。ロシアの減産が要因となっている。

【5月13日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=110.49ドル(前週比0.72ドル高)、ブレント先物(ICE)=111.55ドル(前週比0.84ドル安)、オマーン先物(DME)=105.15ドル(前週比2.72ドル安)、ドバイ現物(Argus)=106.78ドル(前週比0.42ドル安)