【マーケット情報/5月20日】原油上昇、需要回復の見方広がる

2022年5月23日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。石油製品の需要が回復するとの予測が広がり、買いが優勢になった。

北半球は夏季に入り、燃料消費が増える見通し。先週の米国ガソリン在庫は、需要の強まりと輸出増加を背景に、12月初旬以来の最低を記録した。また、欧州では、5月12日までの一週間におけるフライト数が、パンデミック前の水準まで回復している。南半球のニュージーランドでも、国際便に対する規制撤廃の前倒しが計画されており、ジェット燃料の消費が一段と増加するとみられる。

供給面では、ハンガリーの石油会社MOLが、ロシア産原油の調達を停止する準備に入ったと表明。ハンガリーはロシア産への依存率が高く、政府は欧州共同体の禁輸措置に反対していた。供給減少の見込みが、買い意欲をさらに強めた。

一方、中国では4月、製油所の稼働率が、過去2年で最低を記録。5月はさらなる低下が予想されている。上海では16日からロックダウン緩和に向けた動きが始まるも、北京での規制は強化。経済減速にともなう需要後退の観測が、価格上昇を幾分か抑制した。

【5月20日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=113.23ドル(前週比2.74ドル高)、ブレント先物(ICE)=112.55ドル(前週比1.00ドル高)、オマーン先物(DME)=108.51ドル(前週比3.36ドル高)、ドバイ現物(Argus)=108.12ドル(前週比1.34ドル高)