【マーケット情報/5月27日】原油続伸、需給逼迫感強まる

2022年5月30日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。品薄感と需要回復の見通しで、需給がさらに引き締まった。

欧州連合は、ロシア産原油の禁輸措置を検討。30〜31日の欧州理事会の会合で、方針の決定を目指す。ロシアへの依存度が特に高いハンガリーは反対しているが、欧州連合の高官は禁輸措置に意欲的な姿勢を見せている。ロシア原油回避の動きが強まるなか、サウジアラムコ社は、世界の産油能力の余剰は、2%以下しかないと警告した。

加えて、イランのイスラム革命防衛隊が27日、中東を航行していたギリシャ国旗の船舶2隻を拿捕。26日には、地中海を航行中だったイランの原油タンカーが米国に拿捕されている。中東における政情不安、および安定供給に対する懸念が台頭した。

品薄感が強まる一方で、中国・上海では、新型ウイルス感染拡大対策のロックダウン解除を開始。6月には製油所の稼働率も徐々に上昇すると予測されており、経済再開と石油需要回復の見通しが広がった。また、北半球では夏季に入り、燃料消費の増加見込みが根強い。需給の引き締まりで、買いが一段と優勢になった。

【5月27日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=115.07ドル(前週比1.84ドル高)、ブレント先物(ICE)=119.43ドル(前週比6.88ドル高)、オマーン先物(DME)=112.27ドル(前週比3.76ドル高)、ドバイ現物(Argus)=111.68ドル(前週比3.56ドル高)