【特集2】分散型エネ増加で強み発揮 AIで計画値提出業務を自動化

2022年6月3日

【デジタルグリッド】

太陽光など分散型電源の導入が進んでいる。デジタルグリッドはAIを駆使し、その需給管理業務を支える。

デジタルグリッドは、需要家と発電事業者が電力取引と環境価値取引を自動で行える「デジタルグリッドプラットフォーム(DGP)」を展開する。需要家にはソニーや日立製作所、住友林業、発電事業者にはLooopなどが名を連ね、2021年4月時点で合計40社以上、約9万kW規模を取り扱う。

太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーを取り巻く事業環境は年々厳しくなっている。発電事業者は固定価格買い取り制度(FIT)に頼らず、PPA(電力販売契約)をはじめとした新たな販売スキームを手掛け、電気の売り先や需要家にどう送り届けるのかなどを検討するようになった。

また太陽光が急速に増えた結果、日中時間帯の市場価格とそれ以外を比較すると中部エリアでは1kW時当たり平均10円の価格差があり、売電ノウハウが従来にも増して重要になってきている。

DGPはそうした電力事業者の需給管理業務をAIによって自動化する。前日に広域機関に提出する計画値業務を、人手を介さずに合理化できる。直近では、FD社が手掛けるソニーグループの太陽光発電の自己託送の取り組みにDGPが採用された。 今後も再エネを中心に分散型電源が多く建設される見通しで、需給管理業務を自動化できるDGPはより強みを発揮するだろう。

豊田祐介社長