【マーケット情報/6月3日】原油続伸、ロシア産禁輸で逼迫感強まる

2022年6月6日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。欧州連合(EU)がロシア産原油の禁輸措置で合意し、需給逼迫感がさらに強まった。

EUは、ロシアのウクライナ侵攻を受け、加盟国によるロシア産原油と一部石油製品の購入、転売、輸送、およびそれらの海上輸送に対する保険の発行などを、段階的に停止すると決定。ただ、ロシアからのパイプライン供給に頼る一部加盟国は、一時的に例外とすることで、合意を結んだ。

これにより、欧州勢の米国原油に対する買い意欲が強まるとの予想が広がった。さらに、中国・上海では1日、新型ウイルス感染拡大対策のロックダウンを解除。経済活動の再開にともない、石油需要が回復するとの見込みがさらに広がり、需給が一段と引き締まった。

一方、OPECプラスは7〜8月の増産幅を拡大。月毎に日量64万8,000バレルの追加増産で合意した。当初の計画では9月まで毎月、日量43万2,000バレルの追加増産だった。ロシア産の供給減少をある程度カバーするとの意向が、価格の上昇を幾分か抑制した。

【6月3日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=118.87ドル(前週比3.80ドル高)、ブレント先物(ICE)=119.72ドル(前週比0.29ドル高)、オマーン先物(DME)=112.10ドル(前週比0.17ドル安)、ドバイ現物(Argus)=112.05ドル(前週比0.37ドル高)