【マーケット情報/6月17日】原油下落、需要後退の予測台頭

2022年6月20日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み下落。特に米国原油の指標となるWTI 先物は11.11ドル、北海原油を代表するブレント先物は8.89ドルの急落となった。米国の経済減速を背景とした需要後退の見通しが台頭し、売りが優勢に転じた。

米国の連邦準備理事会が、インフレ対策として急激な利上げを決定。1994年以来の大幅上昇となる75ベーシスポイント(0.75%)の引き上げとなった。これにより、米国の経済が冷え込み、石油需要が後退するとの予測が広がった。

供給面では、米国で、日量100万バレルの戦略備蓄放出のうち、6〜7月デリバリーで3,600万バレルの買い手が決定。加えて、同国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが毎週発表する国内石油採掘リグの稼働数は4基増加して584基となった。石油とガス採掘リグの合計は740基となり、2020年3月以来の最高を記録した。

【6月17日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=109.567ドル(前週比11.11ドル安)、ブレント先物(ICE)=113.12ドル(前週比8.89ドル安)、オマーン先物(DME)=116.33ドル(前週比2.77ドル安)、ドバイ現物(Argus)=116.10ドル(前週比2.66ドル安)